Windows や macOS で Clash Verge Rev を利用している際、「PC で使っているプロキシ環境を、そのままスマホやテレビ、ゲーム機でも使いたい」と思ったことはありませんか?各デバイスに個別のクライアントをインストールするのは手間ですし、Apple TV や Nintendo Switch のように、専用のプロキシアプリが存在しないデバイスも少なくありません。
そこで役立つのが 「Allow LAN(LAN 共有)」 機能です。この機能を正しく設定すれば、PC を「プロキシゲートウェイ」として動作させ、同じ Wi-Fi 内にある他のデバイスの通信をすべて PC 経由でプロキシ化することができます。本記事では、2026 年最新版の Clash Verge Rev を使用した LAN 共有の具体的な手順を詳しく解説します。
LAN 共有(Allow LAN)の仕組み
通常、Clash Verge Rev のプロキシサーバーは、セキュリティ上の理由から 127.0.0.1(自分自身)からの接続しか受け付けません。Allow LAN を有効にすると、この制限が解除され、ローカルネットワーク(LAN)内の他のプライベート IP アドレスからの接続を許可するようになります。
この仕組みを利用するには、以下の 3 つの要素が必要です:
- ホスト PC:Clash Verge Rev が稼働しており、LAN 共有がオンになっている PC。
- ホストの IP アドレス:LAN 内で PC を特定するためのアドレス(例:
192.168.1.5)。 - ポート番号:Clash が接続を待ち受けているポート(デフォルトは
7890)。
これにより、スマホ側で「プロキシサーバー:192.168.1.5、ポート:7890」と設定するだけで、PC の Clash を経由したブラウジングが可能になります。
設定前の準備と注意点
スムーズに設定を進めるために、以下の点を確認してください。
- 同一ネットワークへの接続:ホスト PC と共有したいデバイス(スマホ等)が、同じルーターの Wi-Fi または有線 LAN に接続されている必要があります。
- PC のスリープ設定:ホスト PC がスリープ状態になると通信が途切れます。長時間共有する場合は、スリープを無効にするか、電源に接続した状態にしてください。
- セキュリティリスク:Allow LAN をオンにすると、同じ LAN 内の誰でもあなたのプロキシを利用できるようになります。公共の Wi-Fi(カフェやホテルなど)では、この機能をオフにすることを強く推奨します。
手順 1:ホスト PC(Clash Verge Rev)側の設定
まずは PC 側で外部からの接続を許可し、接続先となる情報を確認します。
Allow LAN を有効化 — Clash Verge Rev を開き、左側の「Settings」タブをクリックします。「Clash Core」または「General」セクションにある Allow LAN のスイッチを ON に切り替えます。
ポート番号を確認 — 同じ設定画面の HTTP Port(通常は 7890)または Mixed Port を確認します。この数字は後でスマホ側に入力します。
ローカル IP アドレスを特定 — Windows の場合は「コマンドプロンプト」を開き ipconfig と入力します。IPv4 アドレス(例:192.168.x.x)を探してメモします。macOS の場合は「システム設定」→「ネットワーク」から確認できます。
Windows を使用している場合、Windows ファイアウォールが Clash の通信をブロックすることがあります。接続できない場合は、ファイアウォールの設定で Clash Verge Rev および Mihomo カーネルの「プライベートネットワーク」通信を許可してください。
手順 2:クライアントデバイス(スマホ・テレビ)の設定
次に、プロキシを利用したいデバイス側で設定を行います。ここでは代表的なデバイスの手順を紹介します。
iPhone / iPad (iOS) の場合
- 「設定」→「Wi-Fi」を開き、接続中の Wi-Fi の横にある「i」アイコンをタップします。
- 一番下までスクロールし、「プロキシを構成」をタップします。
- 「手動」を選択し、以下を入力します:
- サーバ:PC で確認した IPv4 アドレス(例:
192.168.1.5) - ポート:PC で確認したポート番号(例:
7890) - 認証:オフ
- サーバ:PC で確認した IPv4 アドレス(例:
- 右上の「保存」をタップして完了です。
Android スマホの場合
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」を開きます。
- 接続中の Wi-Fi 名を長押し、または歯車アイコンをタップして「修正」や「詳細設定」を開きます。
- 「プロキシ」の項目を「なし」から「手動」へ変更します。
- 「プロキシのホスト名」に PC の IP、「プロキシポート」にポート番号を入力し、保存します。
テレビ・ゲーム機の場合
Android TV や Nintendo Switch、PlayStation 5 でも同様に Wi-Fi 設定の「詳細設定」からプロキシサーバーを手動指定できます。特に海外限定のコンテンツを大画面で楽しみたい場合に有効ですが、オンライン対戦ゲームでは遅延(Ping)が増大するため注意してください。
よくある質問とトラブルシューティング
設定したのに繋がらない場合、以下のチェックリストを確認してください。
Q1. スマホでページが読み込めません
まず、PC 側でインターネットが正常に閲覧できているか確認してください。次に、PC の IP アドレスが変わっていないか(DHCP の影響)を ipconfig で再確認してください。また、ウイルス対策ソフトの「ネットワーク保護」が外部接続を遮断しているケースも非常に多いです。
Q2. Allow LAN をオンにしても IP アドレスが表示されません
Clash Verge Rev の UI 上で IP が表示されない場合は、OS のネットワーク設定から直接確認してください。また、Clash のカーネルが正常に動作していない(ログに Error が出ている)と、ポートが開放されません。
Q3. 接続はできるが速度が非常に遅い
LAN 共有は PC の処理能力と Wi-Fi の帯域を消費します。PC が負荷の高い作業をしていたり、Wi-Fi ルーターから遠い場合は速度が低下します。また、Clash 側で「Global」モードではなく「Rule」モードを使用している場合、スマホ側の通信も PC 側のルールに従って分流されます。
ヒント:開発者の方であれば、PC の IP を固定(静的 IP)に設定しておくことで、ルーターを再起動するたびにスマホの設定を書き換える手間が省けます。
応用:TUN モードとの併用
Clash Verge Rev の TUN モード を有効にしている場合、LAN 共有の挙動がより強力になります。TUN モードはシステムレベルでトラフィックを捕捉するため、プロキシ設定に対応していない一部のアプリの通信も、LAN 内のデバイスから PC を経由させることで間接的にプロキシ化できる場合があります(ただし、これはネットワーク構成に依存します)。
基本的には、ブラウザや SNS アプリの利用であれば HTTP プロキシ(Allow LAN 手動設定)だけで十分です。より高度な透過型プロキシ環境を構築したい場合は、PC ではなく OpenWrt などのルーターに Clash を導入することを検討してください。
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